第三歌集

揺れる水のカノン

ユニヴェール7
「揺れる水のカノン」
金川宏

四六判変形、並製、128ページ 
定価:本体1,700円+税
ISBN 978-4-86385-301-0 C0092

装画 千川裕子
装幀 宮島亜紀

果てしなきわが水の旅ふかき夜をほたるび草に溺れてねむれ

路地裏でふいに光を浴びた
いくつもの足が通り過ぎて
今はもう 水たまりに
赤信号が点滅している

藻に覆われたこんな深い
街の底にも 月の光が射して
またなにもないところへ帰ってゆく

2018年3月中旬全国書店で発売。

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著者プロフィール

金川 宏(かながわ ・ひろし)
1953年 和歌山市に生まれる。現在も在住。
1975年 コスモス短歌会に入会。3年間在籍。
1983年 第一歌集「火の麒麟」
1984年 同人誌「詩法」創刊。1990年終刊。
1988年 第二歌集「天球図譜」

ユニヴェール

新鋭短歌シリーズ、現代歌人シリーズが生まれ、
短歌世界は思いもかけない方向にひろがりをみせている。
そして今、新しいレーベルが生みだされる。

ユニヴェールとは、短歌の壮大な宇宙。
これからもきっと、新しい歌人との出会いが待っているにちがいない。
http://www.shintanka.com/univers

あとがきより

1993年の冬、私は第三歌集出版を目論んで書き溜めていた三百首余りの未発表作品を、半ば投げ捨てるように散文とも自由詩ともつかない破片に完膚なきまで解体したうえ、「廃墟」と名付けた一冊のノートに書きとどめ、抽斗の奥深く仕舞った。一昨年の暮、私は抽斗の底から件のノート「廃墟」を引っ張り出していた。ノートのなかの言葉は、二十数年を経て黴や苔に蝕まれてはいたが、不思議ななつかしさを湛え、密やかに息づいていた。それらは揺れる水のうえで微かに響き合った。最初の一行が生まれた。そして私は、歌い始めた。

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