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旅の終わりに

  • 2012-10-17 (Wed) 23:28
  • 総合

 英国とアイルランドをさるく旅もこれで終わり。ビザがまもなく切れるし、お金のこともある。今回は帰りの飛行機のチケットも日本を発つ前に予約してあった。納豆に味噌汁の朝食も恋しい。この辺りが潮時だろう。今この最終稿をヒースロー空港のロビーでアップしている。
 本当なら、もっとカバーしたい作家もいた。書きたい話題もあった。機会があれば、折を見て紹介したいとは考えている。
 本日(水曜)朝、「ベースキャンプ」にしていたケンブリッジのゲストハウスを出た時、雨上がりですがすがしい感じだった。この程度ならイングランドの秋も悪くないが、これから冷え込んでいくのだろう。夏本番のころは夜10時近くまで明るかったが、このごろは夕刻の6時過ぎには夕闇が迫っている。
 とにもかくにも5か月と少し、陳腐な表現だが、今回の旅もあっという間に過ぎたような気がする。この歳(58歳)になると、何だか、月日の経つのがとても速いような感じだ。同年輩の人には共通する思いだろうか。
 アフリカ、アメリカに続き、英国とアイルランドを訪ね歩き、本人はこれで結構満足している。新聞記者としての「卒業レポート」を書き終えたような心境だ。大学の「卒業論文」と異なり、他から審査されることがないので気は楽だ。
 それにしても、英国を代表するイングランドを中心に歩いて、この国がかくもバラエティーに富んでいることに驚いている。英国は面積では日本と大差ない。イングランドだけなら、当然日本よりさらに小さい国となる。それでも、行く先々で目にした自然の景観、街のたたずまいは優雅で目を見張るものがあった。まさに、ロンドンだけでイングランドを英国を語るなかれである。街のいたるところに日本では考えられないような古い石造り、煉瓦造りの建物が残り、今も一般の商家、住家として機能していた。石造り、煉瓦造りと木造ゆえの差異なのか、地震の少ない国ゆえの差異なのかと羨ましく思ったりもした。
 これで私の海外をさるく旅は終わり。来春からは何か仕事を探して、新しいことにチャレンジするつもりだ。仕事があればの話だが。なければ、宮崎の田舎に引きこもり、野良作業でも手伝って糊口を潤そうかとも考えている。「イソップ物語」で言えば、キリギリスのような人生を歩んできた身としては、秋風が身に染みる。秋風と言えば、11月を前に戻りたかったのはもう一つの理由がある。これまでの旅では冬のど真ん中に帰国していた。虚弱体質の身には寒さがこたえた。風邪にも悩まされた。私は四季の中で「人恋しくなる」秋が一番好きだ。3年連続で日本の素晴らしい秋をやり過ごしたくなかった。
 さあ、これで九州に帰ろう。知力、財力はともかく、気力、体力は有り余っている。また皆さんとこの欄でお目にかかることを願って、ひとまず、休止符を打ちたい。頭の中ではなぜか、「アサンテ・サナ」(asante sana)と「クワヘリ」(kwaheri)というスワヒリ語が浮かんでいる。「ありがとう」と「さようなら」を意味する言葉だ。アサンテ・サナ そして クワヘリ!

Comments:3

tajima 2012-10-18 (Thu) 00:16

那須さん、そうなんですね。そろそろかなあとは思っていましたが。
那須さんが帰ってこられるのはけっこう、うれしいです。
こんなとき、那須さんがおられたらなあと思うことがよくあったので。
ブログはずっと読んでいましたが、生身の那須さんと話が出来るほうがやっぱりいいです。
お帰りをお待ちしています。
秋はまだ今からですよ。

Hiroshi Domen 2012-10-18 (Thu) 10:08

那須 先生、長い期間お疲れさまでした、毎回ブログは欠かさず読ませて頂きました。その都度感じる事柄が沢山ありすぎて帰福岡時に何から問いかけていいものやら。。。特にLONDONオリンピックに関してやサッカー事情などとても関心があります、今更ですが。。。今日本の野球は我らがホークスが宿敵ライオンズを所沢で下し札幌に乗り込んで日ハムとCS FINALを戦っています。。。

バンドウ ミキコ 2012-10-21 (Sun) 21:04

那須様

5か月にわたる旅も無事に終えられ何よりです。那須さんのブログを拝見して やはりイギリスは文学の香り豊かだなあと 
しみじみ感じています。
お話をうかがえるのを わくわくしながら
お待ちしています。

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