2005-01-14

『欲望』小池真理子

category  time23:00

欲望

小池真理子の小説って、読み進めていくうちにどんどん悲劇的な結末に向かっていくのがたまらなくいいんだよね。そして、読み終わるのが惜しくなる。性的不能者の正巳を愛してしまった類子。その一方で妻子ある男性と肉欲だけでつながっている。でも、その肉欲よりも正巳への精神的な愛(欲望)を求め続ける。不能者のため、阿佐緒を完全なる性の対象として見ながらも、類子への欲望と精神的なつながりを求めた正巳。類子、正巳それぞれがせつなくて狂おしい。阿佐緒も奔放でいて、でも夫である袴田の子供を欲し、あのような結末になってしまう。とにかく、小池真理子ワールドにどっぷりと浸れます。

文庫はこちら→『欲望』

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