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2007-02-25
『終末のフール』伊坂幸太郎
23:30
「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されて5年後。その終末の日常が描かれる。あと3年で世界が終わるというのがどういうものか実際には想像つかないけど、この小説の中では、混乱ののち、日常がもどってくる。でも、それはもちろん5年前の日常とは違うんだけど、それでも日常には変わりはない。おもしろかったかどうかはよくわからないな。ちょっと不思議な読後感のある小説でした。
2007-02-10
『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ
23:00
淡々とした文体はここちよく、最後まで一気に読めました。介護人、提供など、少しずつ彼女たちの存在がなんであるかがわかってくる。それぞれの役割を果たすのに、それが当然のことと受け入れて行くのだが、そのことになぜ疑問をもったり、抵抗したり、またそこから逃げようとしないのかが少し不思議でそのことが語られてはないんだけど、それも小さな頃から特殊な環境に育ち、教えられたから、自然とそうなったのかと思うと、それも少しおそろしいなと。翻訳ものは、たまに読むと、その文体を楽しむことができていいんだよね。近未来の物語のように感じられるので、マーガレットアトウッドの『侍女の物語』を思い出したりもしました。