2006-03-30

『賃貸宇宙 上』都築響一

category  time23:30

賃貸宇宙UNIVERSE for RENT〈上〉

文庫版をちょろちょろトイレ本として眺めてたんだけど、おもしろかったー。いろんな部屋があって、生活感ばりばりなんだ。部屋ってほんとその人が出るんだよね。ますます家ってものに興味が出たな。今のところ、ぴのこも賃貸暮らしを楽しんでるけど、この自由さってのはなかなかいいのかも。写真眺めてるだけでもかなり楽しいんだけど、都築響一のコメントがまたおもしろい。写真撮って、さらにテキストまで書いちゃうんだから、すごいっす。下巻もすぐに買いたいところだけど、文庫といえども、ふつーのハードカバーより高かったりするので、またタイミング見て買おうっと。

2006-03-26

『イン・ザ・プール』奥田英朗

category  time23:30

イン・ザ・プール

映画を先に見ちゃってたので、内容わかりつつ読んだんだけど、テンポよくておもしろかったな。めちゃめちゃ読みやすいし。伊良部のキャラクターって強烈だよね。映画では、松尾スズキが演じていて、小説の伊良部みたいに太ってはないけど、はまり役だったなー。でも、映画見ないで、読んでたらまた違ったんだろうなと思うと、ちょっと損した気分も。かといって、原作読んでから映画を見たら、それはそれでもったいないしーと。『空中ブランコ』もキープしてるので、そっちは新鮮な気持ちで読めるでしょ、きっと。

『ドキュメント検証C型肝炎』

category  time20:00

ドキュメント 検証C型肝炎―薬害を放置した国の大罪

『It's now or never』をつくることになって、C型肝炎のことを少し勉強しようと思って読みました。ニュースJAPANの報道は見ていなかったんだけど、この本が新聞協会賞、日本民間放送連盟賞、米・ピーボディ賞などいろいろな賞を受賞したというのもわかるなと。スクープという面でもすごくスピーディーでエキサイティングな内容でとてもおもしろかったし、同時に、この本にあることがほんとうなら、ほんとに薬害なんだなと。C型肝炎の検査というものは40歳以上などではなく、全国民がうけるべきなんじゃないかなと。いまのような検診方法では若い人で感染している人を発見できることはできないと思う。いろんな人と出会いながら、薬害肝炎の現状に切り込んでいく姿は、単にテレビの視聴率のためというのではなく、本当にこの問題を解決していかねばという気持ちが見えたと思う。

2006-03-17

『アジアンタムブルー』大崎善生

category  time23:45

アジアンタムブルー

『パイロットフィッシュ』と主人公が同じ?山崎の話。時間軸でいうと、『アジアンタムブルー』のエピソードの方が、先になるんだよね。こちらは、恋人葉子が病気で死んでしまい、その喪失感をかかえているところから話がはじまり、回想していく。葉子が死ぬシーンなどは、ちょっと泣けたけど、どちらかというとパイロットフィッシュの方が好きかな。それに、同じ山崎だと思うと、少し違和感があって、それですっと話の中に入り込めなかったのかも。葉子と山崎があれだけ深い愛情と信頼関係を築いた過程をもう少し描いてほしかったな。それは山崎の人柄なのかもしれないけど。あーなんだか少し消化不良です。