書籍

『はやとくん、おうちに帰ろう』 藤田美保

「生まれてくれてありがとう!」
新しい命と向き合った
ある家族の300日とその後の日々

『はやとくん、おうちに帰ろう』
藤田美保

四六、並製、192ページ
定価:本体1,500円+税
ISBN978-4-86385-020-0 C0095
2刷

「はやとくんは生まれる前に障がいを持っていることがわかり、そしてたくさんの障がいを持って生まれてきました。おうちに帰ってきたときは大変だったけれども、たくさんの人に愛されてこの子の人生は幸せだったし、私たち家族も幸せだったんです。」
定期健診で医師から告げられた赤ちゃんの異常。無事に産まれても平均存命3~4カ月。「家族いっしょがいい」と出産から自宅での生活、そして看取りまで、命と向き合った家族の300日間。はやとくんとその家族を支えた医師・看護師の二人三脚は読んでいて心を打たれる。
はやとくんの死からはじまった曹洞宗住職との心のふれあいは、藤田さん一家の「喪失感」を、死のあともつながっている「いのちの交感」へと向かわせた。

2010年2月上旬全国書店にて発売。

【著者プロフィール】
藤田美保 (ふじた・みほ)
1972年 福井県生まれ。南越前町在住。
1992年 美容専門学校卒業後、大阪市内の美容室に勤務
2000年 父親の看護のため福井県に帰郷
2004年 夫・藤田修と結婚
2005年 長男誕生
2008年2月 胎児に障がいが確認される
2008年4月 帝王切開で次男隼輝を出産
2009年2月2日 隼輝逝去

【目次】
プロローグ
赤ちゃんに異常が
県立病院へ
人に会うのが怖い
少し先が見えてきた
私たちを選んで生まれてくるんだ
心臓の専門医に診てもらう
入院までの不安な日々
入院。できる限りの治療を願う
外出禁止
帝王切開、無事出産
隼輝(はやと)と命名
自宅で看れるかも?
母乳をあげられる
自分だけひとまず退院
友人から千羽鶴の贈り物
やはり13トリソミーだった
気管切開して呼吸器挿入
はやとくんのお世話の練習
私たちならできる!
一般の小児病棟へ
家族四人で初ドライブ
はやとくん、初めてのおうち
初めてのおうち外泊
退院に向けて
待ちに待った退院の日
おうちでの生活スタート
日中、はやとくんと二人だけの生活
はやとくんも一緒に夏休み満喫
月に一度ははやとくんの誕生会
がんばりすぎでダウン、反省
はやとくんの状態は悪い方に
やっぱりおうちがいい
家族四人の年賀状
ちょっと早めのクリスマス
今年最後の外来
お正月近し
家族そろって大晦日
おうちでお正月迎えられた
今年初めての外来。輸血が必要
最期は病院? それともおうち?
一時は酸素と脈が「ゼロ」に
今日が最後のお風呂?
親としてできることはなんでも
ダンのこと大好きだよ
はやとくんの写真撮影
家族一緒の幸せ
命の長さは最初から決められている
音こそが生きる証だった
はやとくん帰らぬ人に
はやとくん通夜
はやとくんのいない日々
はやとくんが教えてくれた幸せ
普通であることがありがたい
はやとくんのことが多くの人へ
はやとくんの残した宿題
はやとくんが生まれ、はやとくんがいなくなってわかったこと

「はやとくんを心で育てる」藤田さんと向き合って 金剛院住職 諏訪ふげん
はやとくんとの日々、医療の現場から 福井県立病院小児科 古畑律代・竹本万里・志田恵子