書籍

『禁断のプロヴァンス ラ・ドルール』 アンドレ・ド・リショー

文豪アルベール・カミユの将来を決定づけ
プロヴァンスのドストエフスキーと呼ばれた異才
アンドレ・ド・リショー幻の名作、本邦初訳

『禁断のプロヴァンス ラ・ドルール』
アンドレ・ド・リショー/著 井本元毅/訳 絶版


四六判変形、並製、242ぺージ
定価:本体1,429円+税
ISBN978-4-902108-66-8 C0097

リショーは父親を戦争で亡くした。第一次世界大戦の中で生きたという時代背景と不幸な生い立ちが、彼の作品の中に「闇」を作り出している。作品の舞台は第一次世界大戦下のフランス。大尉である夫が戦死し未亡人となったテレーズ・ドゥロンブルは、孤独と哀しみにさいなまれ、ひとり息子のジョルジュに異常な独占欲とゆがんだ愛をそそぐようになった。やがて、ドイツ人捕虜と禁断の愛に溺れ、身ごもり、捨てられる母親を見て、ジョルジュは幼い心をひどく傷つけられる。すべてを失ったこの母子に待ち受けていた衝撃の結末とは……?

※東浦弘樹氏(カミュ研究家)の解説付き

2007年12月中旬全国書店にて発売。

【著者プロフィール】
アンドレ・ド・リショー(Andre de Richaud)
1909年にフランス南部の都市ペルピニャンに生まれる。第一次世界大戦で父親を亡くし、1926年に大学卒業後、哲学教師になる。1931年にこの「La Douleur」(原題)が出版されるが、その過激な内容への論争が巻き起こり世に知られるようになった。死後、アンドレ・マルロー、ジャン・コクトーに評価された。

【訳者プロフィール】
井本元毅(いもと・もとき)
1979年福岡市生まれ。パリ大学ソルボンヌ校修士課程修了。外国作品のすばらしさを国内にも伝えたいという理念を抱き翻訳業に打ち込む。リショーの訳を引き受け、読者を惹き付ける彼の作品の素晴らしさにますます魅了され、彼に関するホームページを立ち上げた。