書籍

『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』

『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』
青木耕平、加藤有佳織、佐々木楓、里内克巳、日野原慶、藤井光、矢倉喬士、吉田恭子

A5判、並製、376ページ
定価:本体1,800円+税

ISBN 978-4-86385-431-4 C0095

装幀 成原亜美
装画 藤井友子

文学からアメリカのいまが見えてくる。更新され続けるアメリカ文学の最前線!


「web侃づめ」の人気連載ついに書籍化。ブラック・ライブズ・マター(BLM)、ノーベル文学賞を受賞したばかりの詩人ルイーズ・グリュックなど最新の動向についても大幅に増補した決定版!

座談会「正しさの時代の文学はどうなるか?」(ゲスト:柴田元幸さん)を収録。

 

<登場する人物> 

ドン・デリーロ、ルシア・ベルリン、ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー、モナ・アワド、アルフィアン・サアット、ジェスミン・ウォード、トニ・モリスン、チャック・パラニューク、モニク・トゥルン、コルソン・ホワイトヘッド、ローレン・グロフ、ハニャ・ヤナギハラ、カルメン・マリア・マチャド、ジーナ・アポストル、ブレット・イーストン・エリス、ピーター・オーナー、パトリック・デウィット、ジェイク・スキーツ、シェリー・ディマライン、シークリット・ヌーネス、ロクサーヌ・ゲイ、多和田葉子、ミチコ・カクタニ、ショーン・ペン、ルイーズ・グリュックほか

 

<登場する作品> 

『アメリカン・サイコ』『ハミルトン』『サブリナ』『ファイト・クラブ2』『フライデー・ブラック』『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え』『ビラヴド』『ゲド戦記』(ル=グウィン遺稿)『マレー素描集』『友だち』『マギー・ブラウンその他の人々』『ポイント・オメガ』『ハックルベリー・フィンの冒けん』『シスターズ・ブラザーズ』『掃除婦のための手引き書』『ブラッグズヴィルにようこそ』『見えない人間』『彼女の体とその他の断片』『スピン』『サウスパーク』『13の理由』『デトロイト ビカム ヒューマン』ほか

 

 

【目次】

はじめに(青木耕平)

執筆者紹介

 

CHAPTER 1 

現代アメリカ文学のおもしろさ

ひげを生やしたハックとトム──ロバート・クーヴァー『西部のハック』(里内克巳)

蚊が語るアフリカ100年の人間模様──ナムワリ・サーペル『オールド・ドリフト』(里内克巳)

竜の風と共に去りぬ──ル=グウィン遺稿『ゲド戦記』真の最終章「Firelight」を読む(青木耕平)

人はテロリストに生まれるのではない──カラン・マハジャン『小さな爆弾たちの連合』あるいは我らの時代(青木耕平)

取り残された人たちへの回路──ルシア・ベルリンの作品をめぐって(日野原慶)

ルイーズ・グリュック──「わたし」と対峙する詩人(吉田恭子)

 

CHAPTER 2 

浮かび上がるアメリカ社会

 “America” feat. Elvis Presley, 2018 Remix(藤井光)

アウトソースされた苦しみ──ふたつの短編小説から(藤井光)

切り離されるもの──リン・マー『断絶』をめぐって(藤井光)

スティル・ナンバー・ワン・アメリカン・サイコ──ブレット・イーストン・エリス、9年ぶりの帰還(青木耕平)

ウェルカム・トゥー・(ポスト)エンパイア──B.E.エリス『ホワイト』part 2(青木耕平)

本日限定のセール──21世紀の暴力とゾンビ文化と翻訳と(藤井光)

『ビラヴド(愛されし者)』から『アンべリード(埋られぬ者)』へ──ジェスミン・ウォードとアメリカの10年(青木耕平)

文学を成功作と失敗作に分けてみよう──リチャード・グレイが提唱するフィクションの好ましきあり方(矢倉喬士)

分断されたアメリカにようこそ──T.ジェロニモ・ジョンソンの小説(里内克巳)

 

CHAPTER 3 

世界中を旅しながら 

九龍に充実するオルタナティヴなリアル──香港バプテスト大学国際作家ワークショップ滞在記1(吉田恭子)

三首の女子がスペキュラティヴ・フィクションをスペキュレイトする──香港バプテスト大学国際作家ワークショップ滞在記2(吉田恭子)

コルソン・ホワイトヘッドの基調講演中は日本庭園を回遊していました──ポートランドAWP19参戦記(吉田恭子)

哲学者と文学者を同じ部屋に2日間閉じ込めてみた──ラトガース大学翻訳ワークショップ報告(吉田恭子)

 

CHAPTER 4 

魅力的な作家たち 

居心地のわるい読書──ハニャ・ヤナギハラ『あるささやかな人生』(加藤有佳織) 

こわかわいい創造の物語──モナ・アワド『バニー』(加藤有佳織)

3日目のアザの色みたいにきれいだ──パトリック・デウィットによる4つの小説(加藤有佳織)

オレンジのブックリスト──ジェイク・スキーツの詩集とシェリー・ディマラインの小説(加藤有佳織)

ともだちのともだち──ジェニファー・クレイグ『ポット始めました』とシークリット・ヌーネス『友だち』(加藤有佳織)

「素描」を書く者、「素描」を読む者(藤井光)

「生き延びる」とは何か、「俺たち」とは誰か(藤井光)

残像に目移りを──ドン・デリーロ『ポイント・オメガ』におけるスローモーションの技法(矢倉喬士)

孤独な人のための文学──ピーター・オーナーのささやかな世界(里内克巳)

 

CHAPTER 5 

フェミニズムとアメリカ文学 

#MeToo時代のクリエイティヴ・ライティング(吉田恭子)

ダメ男のレガシーを語る女たち──パートI:アレグザンダー・ハミルトンの場合(吉田恭子)

ダメ男のレガシーを語る女たち──パートII: ラフカディオ・ハーンの場合(吉田恭子)

ゆがんだカラダ、ひびく声──カルメン・マリア・マチャドの小説(日野原慶)

ショーン・ペンよ、ペンを置け──“史上最悪”のデビュー作『何でも屋のボブ・ハニー』(青木耕平)

ガールズ・パワーからホラーへ──クリステン・ルーペニアンによるポスト・トゥルース時代の小説戦略(矢倉喬士)

本でできた虹の彼方へ──レインボー・ブックリスト(佐々木楓)

文学の不気味の谷を越えて──メレディス・ルッソの『イフ・アイ・ワズ・ユア・ガール』(佐々木楓)

 

CHAPTER 6 

FATをめぐるものがたり 

FATをめぐるものがたり(1)──『ダイエットランド』と、あるひとつの解放宣言(日野原慶)

FATをめぐるものがたり(2)──ふとっていることの語源学(エティモロジー)と物語学(ナラトロジー)(日野原慶)

FATをめぐるものがたり(3)──『飢える私』と「残酷な」世界(日野原慶)

FATをめぐるものがたり(4)──『ミドルスタイン一家』と『ビッグ・ブラザー』における家族と身体(日野原慶) 

 

CHAPTER 7 

文学は文字だけではない 

文字は文字ではいられない──英語授業でグラフィック・ノベルを教える(矢倉喬士)

君、バズりたまふことなかれ──沈黙を取り戻すグラフィック・ノベル『サブリナ』(矢倉喬士)

スケートリンクから宇宙の果てへ──ティリー・ウォルデン『スピン』『陽光に乗って』(里内克巳)

あ・・・・・・ありのまま今起こったことを話すぜ! ドラマ『13の理由』シーズン3で人は誰しも被害者と加害者の側面を持つという作風への批判が相次いだかと思ったら、いつのまにかオルタナ右翼が映画『パシフィック・リム』を理想的な世界とみなしている事実に気づかされていた(矢倉喬士)

ソーシャル・ネットワークと文学──アダム・ジョンソン『フォーチュン・スマイルズ』/「ニルヴァーナ」(日野原慶)

タイラー・ダーデンふたたび、みたび──『ファイト・クラブ2』そして『ファイト・クラブ3』(青木耕平)

トランプのいない世界の風刺──『サウスパーク』の受難(青木耕平)

お目醒めはほどほどに──『デトロイト ビカム ヒューマン』における保守的ジェンダー観と人種表象について(矢倉喬士)

 

CHAPTER 8 

翻訳とは何か? 

英語を壊すお・も・て・な・し──多和田葉子の『献灯使』とマーガレット満谷の『The Emissary』の翻訳術(矢倉喬士)

柴田さんと村岡さん──『ハックルベリー・フィンの冒けん』の新しさ(里内克巳)

詩人のように翻訳し、翻訳者のように創作せよ──パートI:翻訳とアイスランド語の未来(吉田恭子)

詩人のように翻訳し、翻訳者のように創作せよ──パートII:アメリカ手話の翻訳詩を「読んで」みる(吉田恭子)

 

COLUMN 

文学の現場はどこにあるのか──イギリスからみた文学創作(吉田恭子)

 

座談会「正しさの時代の文学はどうなるか?」 

加藤有佳織×柴田元幸×藤井光×矢倉喬士×吉田恭子

 

あとがき 

おわりに(矢倉喬士) 

 

2020年12月全国書店にて発売予定。

 

【著者プロフィール】

青木耕平(あおき・こうへい)

1984年生まれ。出版社勤務を経て、一橋大学大学院に進学、1990年代のアメリカ小説/文化を研究する。現在、東京都立大学・武蔵野美術大学非常勤講師。主な論考に「アメリカの裏切り者」(「アステイオン」93号)、「神話を書き換え、高く翔べ──ジェスミン・ウォードとアメリカの十年」(『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え』付属解説)、「『ビラヴド』と、その時代」(「ユリイカ」2019年9月号)。

 

加藤有佳織(かとう・ゆかり)

慶應義塾大学文学部助教。アメリカやカナダの文学、世界各地のカッパ(的な存在)に関心がある。翻訳にトミー・オレンジ『ゼアゼア』(五月書房新社、2020年、近刊)。

 

里内克巳(さとうち・かつみ)

大阪大学言語文化研究科に勤める。著作は『多文化アメリカの萌芽』(彩流社、2017年、単著)、マーク・トウェイン『それはどっちだったか』(彩流社、2015年、翻訳)、『〈連載版〉マーク・トウェイン自伝』(彩流社、2020年、翻訳)、『バラク・オバマの言葉と文学』(彩流社、2011年、編著)など。

 

佐々木楓(ささき・かえで)

関西大学他非常勤講師。セクシュアルマイノリティとされる人たちの小説や映画を中心に、個人と社会の性のあり方について研究中。 

 

日野原慶(ひのはら・けい)

大東文化大学にてアメリカ文学を研究。特に現代のアメリカ小説を対象にエコクリティシズムと呼ばれる環境に焦点を当てた文学批評をおこなっている。ごく最近のアメリカ小説などにも関心をひろげ研究対象としている

 

藤井光(ふじい・ひかる)

1980年大阪生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。同志社大学文学部英文学科教授。主要訳書にD・ジョンソン『煙の樹』、S・プラセンシア『紙の民』、R・カリー・ジュニア『神は死んだ』、H・ブラーシム『死体展覧会』、M・ペンコフ『西欧の東』(以上、白水社)、D・アラルコン『ロスト・シティ・レディオ』、T・オブレヒト『タイガーズ・ワイフ』、S・フリード『大いなる不満』、A・ドーア『すべての見えない光』(第3回日本翻訳大賞受賞)、R・マカーイ『戦時の音楽』(以上、新潮社)、N・ドルナソ『サブリナ』(早川書房)など。

 

矢倉喬士(やぐら・たかし)

西南学院大学で現代アメリカ文学を研究。ドン・デリーロの作品を中心的に扱った博士論文を執筆後、小説、映画、グラフィック・ノベル、ドラマなどを対象に現代アメリカを多角的に考察している。ドン・デリーロ『アンダーワールド』論で2015年度日本アメリカ文学会関西支部奨励賞受賞。翻訳にタナハシ・コーツ『僕の大統領は黒人だった』(慶應義塾大学出版、2020年、池田年穂・長岡真吾との共訳)がある。

 

吉田恭子(よしだ・きょうこ)

1969年福岡県生まれ。立命館大学教授。英語で小説を書く傍ら、英語小説を日本語に、日本の現代詩や戯曲を英語に翻訳している。短編集『Disorientalism』(Vagabond Press、2014年)、翻訳にデイヴ・エガーズ『ザ・サークル』(早川書房、2014年)、『王様のためのホログラム』(早川書房、2016年)、野村喜和夫『Spectacle & Pigsty』(OmniDawn、2011年、Forrest Ganderとの共訳)など。 
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