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ロルダイガ農場

  • 2010-12-27 (Mon) 05:12
  • 総合

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 私は今、ナイロビを離れ、ケニア山のふもと、ナニュキという町の近くにあるロルダイガという農場にいる。日本では考えられないぜいたくな気分を味わっている。周囲にあるのは手付かずの自然。いや、正確には牛や羊などの家畜と象やライオン、キリンなどの野生動物が共生する自然だ。農場経営者が営むコテッジでの滞在はかつてテレビで見た「大草原の中の小さな家」のイメージに近い。
 ナイロビの国内線用のウイルソン空港を12人乗りの小型双発プロペラ機で出たのが午前8時。どこでも好きな所に座れと言うので、パイロットの隣の副操縦席でもいいかと尋ねると、OKとのこと。複雑な計器を見やりながら、シートベルトを締め、自然と笑みがこぼれてしまう。高所恐怖症のくせにこの手の小型飛行機は嫌いではない。はたで見ていると、これなら自分でも運転(操縦)できるのではと不遜にも思ってしまう。
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 眼下には緑の大地が広がる。ケニアのこの一帯は土地も肥沃なのだろう。先週ジュバへの旅で見た光景とは異なる。ほどなくパイロットのお兄さんが「ほらあれがケニア山だ」と右前方の「突起物」を指し示す。先ほどから気になっていた突起物だ。ケニア山だとは思わなかった。ケニア山はアフリカでキリマンジャロ山に次いで高い山で、最高峰は標高5199メートルもある。左右に緩やかな裾野があるこの突起物がケニア山だとは信じ難い。頂上近くは氷河か万年雪か白く光っているのが見える。なぜか、桃源郷という言葉が頭に浮かんだ。
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 ナニュキの空港に到着するまでに二度、草原を切り開き、大地をローラーで踏み固めて造られた滑走路に降り立った。着陸寸前までどこに滑走路があるのか全く分からなかった。コンクリートの滑走路でないため、着陸時の振動、その後の滑走の揺れが何とも言えない。クリスマス休暇を野生動物のサファリで過ごす白人観光客の家族連れが乗り降りしていた。
 大地が緑から乾いた茶色に変わり、三度目に着陸したところがナニュキの空港。ウイルソン空港から直で飛べば30分程度で来れるが、途中で「寄り道」したため、1時間半ほど経過していた。迎えに来てくれた旧知の水谷文美さんと挨拶を交わす。文美さんはケニア在住21年の獣医で人類生態学の専門家でもある。ロルダイガの農場は夫のロバート・ウェルズさんが経営しており、文美さんはライフワークの研究をここで手がけている。
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 見るからに頑丈そうな四駆の軽トラックに乗ってロルダイガ農場に向かう。ナニュキの町を過ぎて1時間近く走っただろうか。警備員がガードする門が見えてきて、文美さんが「ここからが私たちの農場です」と言った。いや、想像はしていたが、それにしても広大な土地だ。目の前をグランツガゼルが通り過ぎる。左手に水をたたえた池が見えてきた。「ここの暮らしで最も大切な水です。ダムにして水を確保しています。時々は象が水を飲みにやって来ているのを見ることもできますよ」と文美さんは語る。
 (写真は上から、小型双発プロペラ機の計器類。出発直後に見られた緑の大地。ケニア山。ロルダイガ農場の中。こんな感じの道を走ってコテッジに着いた)

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