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「飲みかた」

  • 2011-06-13 (Mon) 14:33
  • 総合

 東京に戻った週末は米国大使館で入国ビザの手続きを済ませた。段取りが悪いので今頃ようやくだ。指定された時刻の30分前の午前9時に虎ノ門の米国大使館に着いた時は、もうすでに長蛇の列ができていた。私の前に並んでいた若い女性は毎年のようにビザ取得で足を運んでおり、夏休みごろはもっと長い列ができると話していた。セキュリティーチェックを受け大使館の中に。両手の指紋を採取され、面接官との面談が問題なく終わり、預けたパスポートがビザとともに郵送されるのに一週間程度かかると言われ、大使館を後にしたのは正午を過ぎていた。
 今週末には出発するつもりだったが、パスポートが戻ってこないことにはどうしようもない。まあ、特段急ぐ旅でもない。ホテルの部屋のベッドに寝転んで読書に励もう。とはいえ、かねてから予定していた旧友、先輩たちとの飲み会もいくつか入っている。宮崎の言葉だと「飲みかた」という。「今晩も飲みかたがあるわ」という感じだ。
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 気の合う高校時代の同窓とは前にも書いたことがあるが、毎年6月、この時期に集まっている。今年は11人が集まった。地元の西都(さいと)弁丸出しで癒される。2時間、飲み放題の触れ込みだったが、出てきた焼酎が甲類だったのには参った。我々焼酎の本場で育った者には香りのある乙類でないと。
 「なす君、アメリカになんしに行くとや。あぶねぇとこには行きなんなよ。無事に帰ってきないよ」「こみや、お前は少し黙っとけ。さっきからお前の声しか聞こえんが。ちっとは、他のもんにもしゃべらせんか」「わかっちょっちゃが」「むつお!」「なんか、こみや」「呼んだだけやが」「わらぁ、まこちてーげにせーよ」
 こんな感じで僕らにとっては割と意味のあるやり取りが続いた。これからも毎年、みんなが元気に顔を合わせられることを願う。面と向かっては誰もこんなことは言いもしないが。
 上記の集まりの翌日は高校の一年先輩の女性二人とそのうちの一人の旦那さんが送別会を催してくれた。汐留の高層ビルの47階。田舎者の私は47階から見える都会の眺めに目を見張った。都会育ちのご主人もおられるのでさすがに会話は「標準語」だったが、何かの拍子で私が「道」と言ったら、ご主人が「未知」と解されて、少し困惑された。それから「宮崎県出身者には日本語特有のアクセントが困難」という話題になり、ご主人曰く、「例えばJRのスイカ。これをあの果物のスイカと同じ発音することが私には信じられない」。恥ずかしながら、私はどっちでもOK。初めからアクセントで区別するという発想さえない。
 今回の私のアメリカの旅では言語表現に関する私なりの思いを時に記することになるかかと思う。日本語のアクセントを解することのできない「身の上」であることはご容赦いただいて。
 (写真は、高校時代の同級生のささやかな宴。私以外は皆いい顔立ちの仲間だ)

Comments:5

mutsuo 2011-06-14 (Tue) 17:22

写真、みんな話に花を咲かせよるとに、K見が、ひとっだけカメラ目線じゃが。

宮崎県は無アクセント地帯げなが。福島県の一部にも無アクセント地帯があって、アクセントというものの感覚がまったくつかめんげなよ。

おら、「宮崎訛りがいい味を出しちょるよ」て言うてくりゃることを信じて生きよるよ。

JRのSUICA と野菜のスイカの発音が同じ発音になるのが信じられんちゅうたところで、外国人の発音よりゃましじゃが。

nasu 2011-06-14 (Tue) 21:42

むっちゃん じゃが。言葉(方言)は先祖代々の贈り物やから、ありのままでええとよ。エゲレスの偉い言語学者もそう書いておられたわ。違いがあることを認識してお互いを理解(尊重)することが大事なっちゃが。ところで、たかちゃんがメールしてきて、まりこさんはあんげ良い嫁さんじゃったかいな、インテリじゃし、ちゅうて感心しちょったばい。ええな、ええ嫁さんがいて。

mutsuo 2011-06-15 (Wed) 09:10

たかちゃんがそんげ言うてくれたことにゃ感謝するけんどん、でん、それは「隣の芝生」じゃら「人げの内緒」の類じゃが。おっどんにゃ・・・いんにゃ黙っちょこ。

本部 2011-06-15 (Wed) 16:30

 カメラ目線の人(高校時代はポール・ニューマンに似ちょりゃったよね!)と、「まどころ」の人しか分からんヨ…
 宮崎に居る者たちより繋がりが深そうで羨ましいかぎりです。「宮崎なんじゃろ会」を組織しようかなあ。

nasu 2011-06-16 (Thu) 11:22

本部さん 実物を見ればすぐに分かりますよ。むっちゃんは右手のテーブル、奥から2番目、奥さんのまりこさんの陰になっているから、顔はほとんど見えていません。だから撮ったっちゃが。左手のテーブルの奥、頬杖をついているのが、我が「なんじゃろ会」切ってのエンターテイナー、こみや君ですばい。

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