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台風一過

  • 2011-05-30 (Mon) 21:49
  • 総合

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 前項で書いた台風は願い通り、わが故郷はすっと通り過ぎてくれた。
 例によって、義兄の家も訪れ、またしても、猪肉をご馳走になった。いや、そのうまいこと。私は個人的には猪肉はステーキよりもうまい、世の中で最もうまい肉だと思っている。時節柄、タケノコが旬であり、タケノコの煮込みも食べた。手前味噌だが、長姉の作るタケノコの煮込みは最高に美味。ご飯が何杯も欲しくなるうまさだ。
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 前にもこのブログで書いたことがあり、また、書きたくはないのだが、帰郷はうれしくほっとする思いとともに、果たしていつまでこの故郷が存在し続けることができるのだろうかという悲しみにまといつかれる旅となる。私は昔から、都市部や町に生まれ育った友人たちをうらやましく思ってきた。今も。彼らの便利な暮らしに憧れたわけでも、自分の田舎育ちを恥ずかしく思ったわけでもない。ただ単に年々寂しくなっていく、小さくなっていく故郷が哀れに思えてならないからだ。都市部の人たちはこういう悲しみに胸を打たれることはないのではと思う。
 数年前に「集落点描」を取材、刊行したのも、九州の似たような集落を歩き、エールを送りたかったからだ。わが故郷に酷似した集落で雄々しく生きる人々に会った時はとても心強く思った。彼らとはまたいつか再会したいと願っている。
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 山間僻地に住む人たちはそういう暮らしをせざるを得なかった歴史的経緯があるのだろう。現代の今となっては、皆が都市部、町に出てきて、快適な暮らしを享受すればいいではないかという考え方もあることは承知している。でも、そうなれば、誰が山間部の田畑、山を守るのか。都市部の暮らしを支える水源地は荒れ放題となってしまう。第一、山紫水明の国土はどうなるのだ。
 話が湿っぽくなってしまった。ただ、故郷に関して自分の偽らざる気持ちを記せば、こういうことになる。
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 今日は西都市の隣の新富町の蕎麦屋「まどころ」で、高校時代に英語を習った恩師と同級生の女性2人の総勢4人で食事を楽しんだ。同級生とはずいぶん久しぶりの再会だった。開口一番「あら、那須君、やせたわね」と言われた。実は私、楽な日々を送っているせいで、近年では一番太っている。「やせた」と言われると、少しうれしい反面、昔はすごいブタ太りしていたことが分かり、それはそれで複雑な心境になるが、彼女たちと話していて元気をもらった。メールのやりとりで事前に少しは知っていたのだが、同級生の一人Aさんは点訳ボランティアのベテラン。拙著(翻訳)「二人の運命は二度変わる」も親切に点訳していただいた。彼女が宮崎県内で点訳の大切さ、楽しさを広める指導的立場にあることも今度初めて知った。嘆いてばかりはいられない。
 (写真は上から、またもや猪肉。このタケノコも美味だった。故郷の銀鏡神社にお参り。蕎麦屋で記念撮影。同級生の女性は当時のままの魅力を維持。恩師のS先生は私と変わらない若々しさ。そういえば、いつぞやの同窓会で私は恩師の一人に間違われた)

Comments:3

本部 2011-06-05 (Sun) 10:44

楽しいひと時を過ごせました。せっかく会えるのだから南スーダン状勢なんぞを拝聴しようと思っていたのに、四十年前の思い出話であっという間に過ぎてしまいました…アメリカをさるいた話を聞けること、楽しみにしています。

那須 2011-06-06 (Mon) 09:02

本部さん ありがとう。アメリカでも実りある出会いがあることを願っています。でも生来の怠け者ゆえ、だんだん旅立つのが億劫になってきています。はあ、しんどい!

安代 2011-06-07 (Tue) 07:56

オハヨ~♪

銀鏡をさるくの短編を読んだ心地になりました。

銀鏡の猪肉・煙、採り立ての破竹。銀鏡の食文化に通じるような(笑)。 懐かしくてたまらんかったです。

同級生たちとの歓談の卓上に干しタケノコがあるのもしっかり見ました@@。

友人からタケノコの乾燥の仕方を教えてって言われて調べてみました。破竹はアクがないことから乾燥して保存することをしてきたのかなあ?といろいろ知ることでした。

アメリカは竹林があるのかなあ? カナダには無いとか?

アメリカをさるいて もし竹林に入ったら、”こん銀鏡の乾燥タケノコ”のことを話題にしたら竹取物語よりも面白いって言っていただけるかも。

ゆっくり歩いてくだされ。

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